リモートワークが主流となり会議が増える現代、信頼できるAIノートアシスタントは不可欠です。**Fireflies.ai**は、幅広い互換性と拡張機能で注目されるクロスプラットフォーム会議記録・文字起こしソリューションです。
プロダクトマネージャー・UX専門家として、私は複数のチームでFirefliesを営業・社内会議・オンボーディングで活用してきました。シンプルさが売りですが、実際の実力は?
Fireflies.aiとは?
Fireflies.aiはAI会議アシスタントで、会議に参加して音声を録音・文字起こし・要約まで自動化します。Zoom専用ツールと異なり、Zoom・Google Meet・Microsoft Teams・Webex・Skypeなど主要プラットフォームに対応。
カレンダーイベントや会議にFirefliesのノートテイカーボットを招待するだけで、自動で参加・録音・文字起こしを行います。
主な機能
✅ クロスプラットフォーム対応
- 主要な会議プラットフォームに対応
- Google/Outlookカレンダーから招待可能
- 音声録音&タイムスタンプ付き文字起こし
✅ トランスクリプト編集&コラボ
- AI生成トランスクリプトのハイライト・コメント・修正が可能
- タグ・ノート・カスタムコメント追加
- リモートチームや外部共有にも便利
✅ 自動要約
- AIによる会議要約を自動生成
- アクション項目・決定事項・重要ポイントを抽出
- メール・Notion・Slack・CRMへエクスポート可
Firefliesは長時間会議も一目で把握できる要約で時短に貢献します。
✅ CRM&ワークフロー連携
セキュリティ&コンプライアンス
FirefliesはGDPR準拠・業界標準のデータ暗号化に対応。通話録音規制にも準拠し、法務・営業・医療チームでも安心です。
ユーザー体験:セットアップは簡単、運用はやや課題も
👍 良い点:
- カレンダー連携で簡単オンボーディング
- 要約・トランスクリプトのUIが見やすい
- 会議後の処理が速い
👎 改善点:
- オンボーディング体験に一貫性がなく、ヘルプが簡素
- 録音や連携設定が分かりづらい場合あり
- 録音環境やアクセントによって文字起こし精度にバラつき
主な活用シーン
- 営業・RevOps:通話記録・CRM連携
- 社内会議:チームディスカッション・アクション項目の記録
- オンボーディング/研修:セッションの復習やナレッジベース化
- カスタマーサクセス:顧客会話のアーカイブ化
メリット・デメリット
✅ メリット
- 幅広い会議プラットフォーム対応
- 手頃な価格設定
- コラボ可能なトランスクリプトエディタ
- CRMや生産性アプリとの連携
- GDPR・法令対応
❌ デメリット
- 音声環境によって文字起こし精度にバラつき
- オンボーディングやサポートがやや不十分
- 一部UIが古く感じる
料金(2025年)
プラン | 主な機能 | 年払い価格 |
---|---|---|
Free | 録音数制限・基本要約 | $0 |
Pro | 無制限会議・AI要約・エディタ利用 | $10/ユーザー/月 |
Business | CRM連携・分析・カスタム語彙 | $19/ユーザー/月 |
Enterprise | 高度な管理・API・SLAサポート | 問い合わせ |
Firefliesはコストパフォーマンスに優れたAIノートツールで、特にスタートアップや成長中のチームに最適です。
総評:2025年もFirefliesはおすすめ?
どのプラットフォームでも使えるAI会議レコーダーを求めるなら、Firefliesは有力な選択肢です。
完璧ではありませんが(文字起こし精度や導入体験に課題あり)、機能と連携の幅は価格以上。編集・コメント・共有機能も充実し、リモート・ハイブリッドチームの会議記録・自動化に最適です。
Firefliesは大手エンタープライズほどの洗練さはありませんが、中小チームには賢く・拡張性があり・手頃な会議アシスタントです。
専門家による多角的評価
Fireflies.aiの真価を5つの観点から解説:プロダクト設計・ユーザー適応性・精度・戦略的適合・将来性。
1. プロダクト設計思想
Firefliesは2つの原則を重視:
- プラットフォーム中立性:ZoomやMeetに縛られず、どこでも使える
- 会議後の生産性:データ量より「検索・共有・行動可能性」を重視
ダッシュボードもこの思想を反映。トランスクリプト・ハイライト・コラボを優先し、分析系のごちゃごちゃ感はなし。MVP(最小限の価値提供)は「記録・要約・連携」に集約。
2. 精度&AI性能
Firefliesの文字起こしエンジンは「可もなく不可もなく」。良好な環境(高品質マイク・静かな部屋・ネイティブ話者)では85~90%精度。
ただし、
- 強いアクセント
- 発話の重なり
- 背景ノイズ
があると精度は低下。AI要約も営業や定例会議など構造化された会話で最も効果的。ブレストなど自由度の高い会話では曖昧になりがち。
🔍 コツ:精度向上には「明瞭な発話・会議の構造化」を意識しましょう。
3. 連携エコシステム
Firefliesは連携力が強み。
- CRM(Salesforce・HubSpot・Zoho)
- プロジェクト管理(Asana・ClickUp・Trello)
- メッセージング(Slack・Microsoft Teams)
- ストレージ(Google Drive・Dropbox)
この幅広さで、営業・マーケ・プロダクト・オペレーションなど多部門の会議内容を「実務の現場」に直結できます。
4. コラボ&ナレッジ共有
Firefliesは会議を「チーム全体の知識資産」として活用:
- 引用にメンション付与
- キーワード・日付で全文検索
- 要約をQRコードやエクスポートで共有
ハイブリッド・非同期チームの「会話アーカイブ」としても有用。
Firefliesは「会議のGoogleドキュメント」的存在です。
5. 理想的なユーザー像・戦略的適合
✅ 最適:
- クロスプラットフォーム録音が必要なリモートチーム
- 通話品質の可視化を求める営業マネージャー
- 検索可能な通話ログが必要なサポート・研修チーム
- ユーザーインタビューの知見を蓄積したいコンテンツチーム
❌ 不向き:
- 多言語環境で高精度文字起こしが必要なチーム
- エンタープライズSLAなしでは困る大企業
- 会議中のリアルタイム要約が必須なユーザー(Firefliesは会議後要約型)
6. 競合比較スナップショット
観点 | Fireflies.ai | Gong | Avoma | Fathom |
---|---|---|---|---|
プラットフォーム対応 | ✅ 全主要対応 | ❌(Zoom, Teams) | ✅ 主要対応 | ✅ Zoom特化 |
リアルタイム要約 | ❌ 会議後型 | ✅ あり | ✅ あり | ✅ あり |
コラボ機能 | ✅ タグ・コメント | ✅ コーチング | ✅ チームノート | ❌ 基本のみ |
言語対応 | 🌍 限定的 | 🌍 グローバル | 🌍 10言語程度 | 🌍 7言語 |
無料プラン | ✅ | ❌ | ✅ | ✅ |
価格柔軟性 | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐ |
まとめ:シンプルさ重視の実用派に最適
Firefliesは「全部入り」を目指さないからこそ使いやすい。
会話を記録し、要約し、日常アプリに連携。シンプルさが小規模・高速チームや「新たな学習コストをかけたくない」現場に最適です。
Gongの分析やAvomaのコーチングには及びませんが、**「手軽に・共有しやすい会議ノート」**を求める8割のチームには十分な実用性と明快さを提供します。
Firefliesは「会議のGoogleドキュメント」— 検索・コラボ・静かに不可欠な存在です。